腫瘍は、状態が悪くなった時の検査で見つかるだけでなく、生活の中で体表や口の腫れに気が付いたり、健康診断で偶然発見されたりすることがあると思います。しかし、そういう”しこり”が必ずしもすべて”悪性腫瘍=がん”ではありません。私たちはまずそのしこりの正体を突き止め、もし悪性だった場合には全身への転移を正しく評価するように診察を行います。具体的には生検によって病理診断を行い、レントゲン、エコー、CT、MRI、内視鏡などの画像検査によって病変の拡がりを評価します。その上で、手術、放射線、抗がん剤を3本柱として、これらを単独、もしくは組み合わせた治療を行います(放射線治療は専門病院へご紹介します)。
しかし残念ながら、腫瘍の悪性度が非常に高かったりすでに転移していたりして根治が困難なことがあります。そんな時にも治療をあきらめるのではなく、飼い主様が腫瘍のことをしっかりと理解し、病気と向き合える時間を作っていけるようにサポートいたします。
当センターにおける特徴と強み
当センター腫瘍科の特徴は、診断のためのあらゆる検査から、手術や抗がん剤を用いた治療までを、一つの診療科で一貫して実施することです。がんと闘うためにはさまざまな治療法を組み合わせる必要がありますが、内科・外科それぞれに分かれて治療を行うと転科に時間を要したり、診療科間で十分な情報共有ができないおそれがあったりと、ベストな治療が行えなくなってしまうことがあります。一つの科内ではそういった問題を解決できますし、そして何より、診療を継続していくことで飼い主様や症例と信頼関係を築くことができます。
がんを患った愛犬・愛猫に対する不安が少しでも和らぐよう、幅広い専門的な知識・技術だけでなく、誠意を持ってご家族様と向かい合います。
担当医
寺内 光彦
てらうち みつひこ
常勤
H25 麻布大学卒
H31 岐阜大学動物病院 腫瘍科勤務
岐阜大学動物病院腫瘍科臨床助教
JAHA認定総合臨床医
担当分野:腫瘍
一言:
大学診療にて培った知識や経験を活かし、その子にとって最善の治療を飼い主様と共に考えながら実施していきます。座右の銘は恩師から頂いた『教科書を超えろ』です。
岩﨑 遼太
いわさき りょうた
非常勤
H20 帯広畜産大学卒
R2 獣医学博士(岐阜大学大学院連合獣医学研究科)
帯広畜産大学動物医療センター准教授
第1種放射線取扱主任者
日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定II種
専門分野:
腫瘍内科/腫瘍外科/放射線治療/
画像診断