疾患説明

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアって何‥?

犬の背骨は頸椎・胸椎・腰椎・仙椎・尾椎があります。
その骨と骨の間のクッション材の役割をしているのが、椎間板です。
その椎間板が突出して、背骨の中の脊髄を圧迫することにより神経症状を引き起こします。

なりやすい犬種は‥?

若齢(5才前後)でみられ、急性に発症し進行するタイプ
ダックスフンド・チワワ・トイプードル・ペキニーズ
フレンチブルドッグ・ビーグル・シーズー等
このタイプのヘルニアは人が交通事故にあった時と
同じくらい脊髄へのダメージがあるといわれています。
加齢に伴い慢性的に進行するタイプ
コーギー・パピヨン・マルチーズ・ポメラニアン
ラブラドールレトリバー・ゴールデンレトリバー等


どんな症状がでるの・・?

胸腰部の椎間板ヘルニアの場合‥

背中を触ると痛がる・背中を丸めて歩く・後ろ足がふらつく・引きずって歩く
後ろ足が立てない、動かせない・尿がポタポタ垂れるまたは自分でできない
便がきばりにくい・排泄ができない為にお腹を触ると痛がる 等
重症度 :重症度を5段階で判断することができます。
グレード 症状
痛みのみ
ふらつきながらも歩行できる
立てない・足は動かせる
立てない・足を動かせない・痛みを感じることができる
立てない・足を動かせない・痛みを感じない
※進行性脊髄軟化症
急性に脱出した椎間板物質により、脊髄にいく血液量が減ってしまい、脊髄内の壊死・出血が起こり、後ろ足→前足の順に動かず寝たきりになり、最終的には呼吸をさせる神経までもがやられてしまい呼吸できず亡くなってしまう怖い病気です。
グレードⅤの約3~6%みられる危険性があります。
頚部の椎間板ヘルニアの場合‥

首を触ると痛がる・方向転換をしたり、起き上がるときに痛がってなく
首を上に向きたがらない・ふらついて歩く・前後の足をひきずる
重症になると四本足すべてが動かなくなり寝たきりになる
尿・便が自分でできない・呼吸が苦しくなる 等
重症度 :重症度を3段階で判断することができます。
グレード 症状
初回の痛み・痛みのみ
痛みを繰り返ししている
痛み+ふらつき等の神経症状がでている

診断するには‥?

※椎間板ヘルニアを診断する上で

MRI検査 ②脊髄造影+CT検査 ③脊髄造影検査 ④CT検査など
いくつかの選択肢がありますが、MRI検査だと脊髄への圧迫状態だけでなく、
浮腫や出血・損傷などの脊髄の状態を捉えることができます。
また、腫瘍の有無・脊髄梗塞などの鑑別を行うこともできます。

治療方法は‥?

グレードの軽い子であれば、飲み薬や安静での経過観察の選択もありますが、激しい痛みを感じている子やグレードの重い子は検査結果をふまえて、手術を選択されることが多くみられます。
ただ、どちらにしても神経の回復には時間が必要で、後遺症が残ることがあります。

脊髄梗塞(線維軟骨塞栓症)

脊髄梗塞は、血栓や線維軟骨等が脊髄の中の血管に詰まってしまう病気です。

なりやすいのは‥?

ミニチュアシュナウザー・チワワ・パピヨン等の小型犬・大型犬
猫にも多く見られます。

どんな症状がでるの・・?

突然に!! 
ふらつく・引きずって歩く・立てない、足が動かせない
尿がポタポタ垂れるまたは自分でできない 等
椎間板ヘルニアの症状と似ていますが、下のような特徴が頻繁に見られます。

脊髄梗塞の特徴
  • 片側の足だけに症状がでる。        
  • 急に症状が出て、約24時間以降悪化しない。
  • 痛がらない。

診断するには‥?

※脊髄梗塞を診断する上で

MRI検査 が有用だといわれています。
MRI検査だと脊髄への圧迫状態だけでなく、
浮腫や出血・損傷・腫瘍の有無・脊髄梗塞などの鑑別診断もすることができます。
MRI検査に加えて、脳脊髄液検査を行い、脊髄に炎症が起きていないかを
確認する必要もあります。

治療方法は‥?

椎間板ヘルニアと症状が似ていますが、手術は必要ありません。
一般的に多くの子が2週間以内に改善が見られます。
歩けなかった子でも、一か月以内には歩けるようになるといわれていますが、
その間、筋力や足の動きが低下しない様に、積極的なリハビリテーションを行うことをおすすめしています。

セミナー・講演

セミナー・講演のご依頼をお受けすることができます。講演内容は獣医神経疾患に関連する内容やMRI検査に関連した内容など、その都度ご要望にお応えいたします。講演費用や講演内容などのご相談は、KyotoAR獣医神経病センターまでご遠慮なくご連絡ください。